iPhoneの「非表示」アルバム vs Hushkeeper
「非表示」アルバムは無料の標準機能で、多くの人にとってはこれで十分です。ただしこれは、写真をメインのライブラリから外すための機能で、iPhoneのロックを解除できる人から守るための機能ではありません。
更新日
結論から。カメラロールを人に見せるときに写真を見えなくしたいだけなら、「非表示」アルバムで十分です。心配な相手がiPhoneのパスコードを知っている可能性がある、iCloudのアカウントを共有している、iPadを手に取れる、という場合は暗号化された保管庫を使いましょう。
ひと目で比較
| iPhoneの「非表示」アルバム | Hushkeeper | |
|---|---|---|
| 料金 | 無料、写真アプリに標準搭載 | 無料プランあり。Proは週$1.49、年$16.99、買い切り$34.99から |
| 開く方法 | Face ID、Touch ID、またはiPhoneのパスコード | パスコードとは別の5×5のパターン |
| パスコードを知っている人 | 開けてしまう | パターンがなければ開けない |
| 同じApple Accountのほかのデバイス | iCloud写真で、非表示の写真もiPadやMacに同期される | 復元フレーズで復元したデバイスだけ |
| 存在の痕跡 | オフにしない限り、写真アプリに「非表示」アルバムが表示される | 保管庫は一覧に表示されず、パターンごとに別の保管庫が開く |
| ファイルの暗号化 | iOSのデバイス暗号化。iCloud上のコピーは、高度なデータ保護をオンにした場合のみエンドツーエンドで暗号化 | 保存やバックアップの前に、ファイルごとにAES-256-GCMで封印 |
| 書類(PDF、スキャン) | 写真とビデオのみ | 写真、ビデオ、ファイル |
| おとり・強要時の対策 | なし | 隠し保管庫と強要時パターン(Pro) |
「非表示」アルバムの実際の仕組み
写真で非表示をタップすると、iOSはその写真をライブラリ、ほかのアルバム、写真ウィジェットから外し、「非表示」アルバムに移します。iOS 16以降、このアルバムは初期設定でロックされていて、Face IDやTouch IDで開き、うまくいかなければパスコードで開きます。写真アプリの設定でアルバム自体をオフにして、アプリに表示されないようにすることもできます。
思っている以上に大事なポイントが2つあります。
- ロックはiPhoneのロックそのもの。専用のパスワードはありません。パスコードを知っている人なら、パートナーでも子どもでも、入力するところを見ていた人でも、あなたと同じように「非表示」アルバムを開けます。
- 同期される。iCloud写真を使っていると、iPhoneで非表示にした写真は、同じApple Accountでサインインしているすべてのデバイスで非表示になり、そのデバイスのロックで開けます。家族で使うiPadや、まだ共有している古いMacが裏口になることもあります。
ファイルはどこにあるのか
ロックされたiPhone上のデータはすべてiOSのデバイス暗号化で守られていて、iPhoneを拾った見知らぬ人に対しては十分な守りです。違いが出るのは、ロックが解除されたあとと、クラウドの中です。デバイスが開いてしまえば、非表示の写真もライブラリの中の普通の写真です。iCloudでは、写真がエンドツーエンドで暗号化されるのは、自分でオンにする「高度なデータ保護」を有効にしている場合だけです。標準の保護では、そのデータの鍵はAppleが持っています。
Hushkeeperは別の方法をとっています。パターンから鍵を導き出し、それでランダムな256ビットのマスターキーを開き、すべてのファイル、サムネイル、ファイル名を、ディスクに書き込んだりiCloudに送ったりする前にAES-256-GCMで封印します。iCloudの設定がどうであれ、iPhoneから出ていくのは暗号化されたデータだけです。
「非表示」アルバムのほうが向いている場合
- 写真を見せるためにiPhoneを渡すとき、何枚かをカメラロールから外しておきたいだけ。
- ほかに誰もパスコードを知らず、Apple Accountやデバイスを誰とも共有していない。
- 設定の手間も費用もかけたくない。
暗号化保管庫のほうが向いている場合
- 身近な人がパスコードを知っている、または知る可能性がある。
- 同じApple AccountのiPadやMacを共有している。
- 身分証のスキャン、契約書、診断書などの書類も保管したい。
- 「何もない」と言える必要がある。隠し保管庫と強要時パターンはそのためにあります。
両方使うこともできる?
できます。日常的な「スクロールで見られたくない」写真は「非表示」アルバムに入れ、見られたら本当に困る少数のものだけを暗号化保管庫に移す、という使い方をしている人は多いです。Hushkeeperに移したものは、そのあと写真アプリから削除し、最近削除した項目も空にしましょう。そうしないと、最大30日間コピーが残ります。
参考資料
あわせて読みたい
iCloud写真は安全?Appleに見えるもの・見えないもの
iCloud写真は暗号化されていますが、高度なデータ保護をオンにしない限り鍵はAppleが持っています。その意味と設定方法、残る弱点を解説します。
Keepsafe vs Hushkeeper
iPhoneで人気の写真保管アプリKeepsafeとHushkeeperを、暗号化、広告・トラッキング、バックアップ、料金、おとり機能で比較。各社の公開情報に基づきます。
iPhoneで写真を非表示にする方法(4つの方法と注意点)
iPhoneの写真を非表示にする方法を4つ解説。非表示アルバムの使い方とロック、アルバム自体を消す設定、メモのロック、暗号化アプリまで、どこまで守れるかを比較します。
電卓の隠しアプリは安全?
電卓に見せかけて写真を隠すアプリは、本当に安全でしょうか。偽装と暗号化の違いと、写真保管アプリを選ぶ前に確認したいチェックリストを解説します。