iPhoneを下取りに出す・売る前にやること:初期化の正しい手順
iPhoneの初期化は数回タップするだけです。ただ、順番を間違えると、買った人がiPhoneを使えなかったり、Apple Accountが残ったままになったり、残しておきたかったデータを失ったりします。Appleが案内している手順をもとに、下取り・買取・フリマのどれにも使えるよう、プライバシーの観点で見落としがちな点も加えてまとめました。
更新日
要点だけ。バックアップを作成して日時を確認し、新しいiPhoneへデータを移します。部品と修理の履歴で未完了の修理がないか確かめます。Apple Watchのペアリングを解除し、Apple Accountからサインアウトしたら、設定 > 一般 > 転送またはiPhoneをリセット > すべてのコンテンツと設定を消去で初期化します。eSIMも一緒に消去しましょう。最後に、Apple Accountのデバイス一覧から古いiPhoneを削除します。その前に、写真の保管庫やパスワード管理、認証アプリなど、独自に暗号化しているアプリのデータが新しいiPhoneで戻せるかを確認しておきます。
なぜ順番が大切なのか
Appleは、iCloudにサインインしたまま連絡先や写真などを手で削除すると、iCloudやほかのデバイスからも完全に消えてしまうと注意しています。だからこそ、最初にバックアップを取り、初期化は最後のほうで行います。
逆のリスクもあります。Apple Accountにひも付いたままiPhoneを手放すと、アクティベーションロックのせいで買った人が設定できず、見知らぬ相手とやり取りして解決するはめになります。フリマアプリで個人に売る場合は、特に気をつけたいところです。
以下の手順は、AppleのサポートページにあるiPhone向けの案内に沿って、各ステップがプライバシーにどう関わるかを補足したものです。
ステップ1:バックアップを作成し、完了したか確かめる
- Wi-Fiに接続します。
- 設定を開いて自分の名前をタップし、iCloud > iCloudバックアップの順に進みます。
- 今すぐバックアップを作成をタップし、終わるまでWi-Fiにつないだままにします。
- 今すぐバックアップを作成の下に、最後にバックアップが完了した日時が表示されます。今日の日付でなければ、バックアップは終わっていません。
iCloudの容量が足りないと表示された場合は、画面の案内に従ってiCloudストレージプランをアップグレード(有料)するか、空き容量を作ってからやり直します。
ステップ2:新しいiPhoneへデータを移す
iOS 11以降なら、クイックスタートで古いiPhoneを新しいiPhoneの近くに置くだけでデータを移せます。機種変更で電話番号が変わる場合は、先にApple Accountへ新しい番号を信頼できる電話番号として追加しておきましょう。乗り換えの途中で2ファクタ認証のコードを受け取れなくなるのを防げます。
ステップ3:アプリで守っているデータが新しいiPhoneでも戻せるか確認する
ここはAppleの案内ではカバーできない部分です。使っているアプリによって変わるからです。通常のiPhoneのバックアップでほとんどのアプリは戻りますが、独自の鍵でデータを暗号化しているアプリは、新しいiPhoneでもその鍵が必要になることがよくあります。初期化する前に、次のアプリを開いて復元方法を確かめてください。
- 認証アプリ(2ファクタ認証のコード):失うとほかのサービスにログインできなくなることがあります。
- パスワード管理アプリ:マスターパスワードを覚えていて、新しいiPhoneでサインインできるか確認します。
- 写真やファイルの保管庫アプリ:バックアップがどこにあり、開くのに何が必要かを確認します。
- 独自にトーク履歴をバックアップするメッセージアプリ:機種変更前にアプリ内でバックアップを済ませておきます。
たとえばHushkeeperの場合、暗号化iCloudバックアップは無料で、最初からオンです。あなたのiCloudに送られるのは暗号化されたデータだけで、別の端末で開く方法は復元フレーズだけです。確認することはシンプルで、バックアップがオンになっていることと、復元フレーズを書き留めてあることの2つです。パターンと復元フレーズの両方を失うと、誰もファイルを復元できません。私たちにもできません。Hushkeeperはまもなく App Store で配信予定ですが、「鍵はどこにあるか」という確認は、いま使っているどの保管庫アプリにも当てはまります。
ステップ4:未完了の修理がないか確認する
設定の部品と修理の履歴を見てください。部品に修理を完了と表示されていたら、下取りに出す前に修理を完了させます。最近iPhoneを修理に出した場合は、iPhone修理前にデータを守る方法もあわせてご覧ください。
ステップ5:ペアリング解除、AppleCare、サインアウト
- Apple Watch:このiPhoneとペアリングしているなら、先にペアリングを解除します(Appleに別の解説ページがあります)。
- AppleCare:プランを解約するか、新しい持ち主に譲渡します。
- Apple Accountからサインアウト:設定で自分の名前をタップし、下にスクロールしてサインアウトをタップします。
- iOS 26以降では、このiPhoneを消去するか、消去せずにサインアウトするかを選べます。後者では一部のデータがiPhoneに残るので、手放すときはそのあと必ずステップ6で消去します。
- iOS 18以前では、Apple Accountのパスワードを入力してオフにするをタップします。
- Androidに乗り換える場合:初期化する前に、iMessageの登録を解除しておきます。
ステップ6:iPhoneを初期化する(eSIMも)
- 設定 > 一般 > 転送またはiPhoneをリセットを開きます。
- すべてのコンテンツと設定を消去をタップします。
- パスコードなどを求められたら入力し、iPhoneを消去をタップします。
- eSIMを使っている場合、確認画面でデバイスとeSIMの両方を消去する選択肢を選びます。回線を新しい持ち主に引き継ぎたいときは、通信事業者に相談してください。
Appleによると、初期化するとApple Payに追加したカードの情報、写真、連絡先、音楽、アプリなどがiPhoneから消え、「探す」とアクティベーションロックもオフになります。一方で、iCloudに保存してあるコンテンツは削除されません。iCloud写真やバックアップはアカウントに残ります。機種変更ならそれで問題ありませんが、iPhoneを手放したあとも古いバックアップや同期された写真は残り続ける、ということでもあります。誰がそれを見られるのかは、iCloud写真の安全性についての解説で説明しています。
ステップ7:Apple Accountから古いiPhoneを削除する
- 新しいiPhoneで設定を開き、自分の名前をタップして、下にスクロールしてデバイスの一覧を表示します。
- 古いiPhoneをタップし、アカウントから削除をタップして確定します。
account.apple.comのデバイスからも同じ操作ができます。削除したデバイスには2ファクタ認証の確認コードが表示されなくなり、iCloudや「探す」にもアクセスできなくなります。ただし、そのデバイスでApple Accountにサインインしたままだと、次にインターネットにつながったときに一覧に再び現れることがあります。初期化の前にサインアウトしておくのは、このためでもあります。
すでにiPhoneが手元にない場合
| 状況 | やること |
|---|---|
| 初期化せずに売ってしまった | 新しい持ち主に「すべてのコンテンツと設定を消去」を実行してもらう。 |
| 紛失した・盗まれた | iCloud.comの「デバイスを探す」で遠隔消去する。 |
| デバイス一覧にまだ残っている | Apple Accountから削除する。 |
| iCloudを見られないか心配 | Apple Accountのパスワードを変更し、2ファクタ認証をオンにする。 |
| Apple Payを使っていた | ウォレットからカードやパスを削除する。 |
| AppleCareに加入していた | プランを解約するか譲渡する。 |
パスワードを変更しても古いiPhoneのデータは消えませんが、iPhoneを持っている人があなたのiCloudの情報を削除することは防げます。
Apple Storeで下取りに出すなら
- 店頭ではApple Accountのパスワードが必要になることがあります。事前に確認するか、リセットしておきましょう。
- 盗難デバイスの保護がオンの場合、店頭でパスワードを変更しようとすると、セキュリティ遅延のため1時間かかることがあります。
フリマや買取の出品写真から情報を漏らさない
フリマアプリやオークションに載せるiPhoneの写真には、撮影した場所の位置情報が含まれていることがあります。アップロードする前に無料の写真メタデータ削除ツールで消し、画面や箱、レシートに写っている見せたくない部分はぼかしツールで隠しましょう。どちらもブラウザ内で動作し、ファイルはアップロードされません。仕組みはiPhoneの写真から位置情報を削除する方法で詳しく説明しています。
チェックリスト
- バックアップを作成し、「今すぐバックアップを作成」の下が今日の日時か確認する。
- クイックスタートで新しいiPhoneへデータを移す。
- 保管庫アプリ、認証アプリ、パスワード管理アプリが新しいiPhoneで戻せるか確認する。
- 部品と修理の履歴に「修理を完了」が出ていないか確認する。
- Apple Watchのペアリングを解除し、AppleCareを整理して、Apple Accountからサインアウトする。
- Androidに乗り換えるなら、iMessageの登録を解除する。
- すべてのコンテンツと設定を消去する。eSIMも消去する。
- Apple Accountのデバイス一覧から古いiPhoneを削除する。
iCloudに残る写真も整理したい場合は、iPhoneの写真を完全に削除する方法をご覧ください。
参考資料
役立つ無料ツール
あわせて読みたい
iPhoneを修理に出す前にデータを守る方法
写真や書類、アカウントを見られずにiPhoneを修理に出すためのチェックリスト。バックアップ、「探す」、ウォレット、パスコードを聞かれたときの対応まで。
iCloud写真は安全?Appleに見えるもの・見えないもの
iCloud写真は暗号化されていますが、高度なデータ保護をオンにしない限り鍵はAppleが持っています。その意味と設定方法、残る弱点を解説します。
iPhoneの写真を完全に削除する方法
iPhoneで削除した写真はすぐには消えません。最近削除した項目、iCloud、バックアップ、共有ライブラリに残るコピーと、その消し方を解説します。
iPhoneの写真から位置情報を削除する方法
iPhoneの写真には撮影場所の位置情報が記録されています。共有時に消す方法、保存済みの写真から削除する方法、カメラで記録しない設定、無料の確認ツールを紹介。